GDC報告会に見るセガの学習機会と共有の取り組み

 

はじめまして

SEGA Tech Blogをご覧のみなさまこんにちは。セガゲームス開発技術部の小林です。
開発技術部ではスタジオサポート以外にも勉強会の開催やグループ内の情報共有のお手伝いを行っています。
もちろんこのBlogのお手伝いもしています。

SEGA Tech Blogでは毎回スタジオの開発者が素晴らしい技術ネタを書いていますが、今回は5月15日に開催したGDC2019*1社内報告会の事例を踏まえまして、弊社における学習機会の外郭のお話をしたいと思います。

 

GDCとは

GDC(Game Developers Conference)とは毎年2月下旬から3月上旬に行われる世界各国のゲーム開発者を中心としたカンファレンスです。2015年まではGDC China、2016年まではGDC Europeなども別の日程でありましたが、2017年からはこの時期に行われるGDCのみとなっています。

2019年は3月18日から22日にかけてサンフランシスコのモスコーニセンターにおいて20のTopics、約800近いセッションが行われました*2。セッション数上位のTopicsはProgramming、Design、Business & Marketing、Visual Artsあたりとなります。Topicsの種類は業界のトレンドによって追加されます*3。この時期なると日本の業界関係者のSNSにおいて、渡航組と残留組の食べ物写真の応酬が行われるのも風物詩となっています。

また、GDC2019では"Game Developers Choice Awards"において弊社小玉理恵子さんが業界の発展に貢献したゲーム開発者に贈られる“PIONEER AWARD”を受賞しました。

 

毎年派遣しています

弊社では毎年GDCに社員を派遣しています。ここ数年の実績ではセガゲームス、セガ・インタラクティブあわせて約20人ほどの社員が参加しています。セッション数上位にあるようにプログラマー、デザイナーの参加者が多い傾向にありますが、プランナーやサウンドの参加者が皆無な訳ではありません。

 

GDC参加実績
年次 総数 管理職 プログラマー デザイナー プランナー サウンド その他
GDC2016 18 0 10 5 0 1 2
GDC2017 14 0 6 4 2 1 1
GDC2018 20 1 9 8 2 0 0
GDC2019 23 1 12 9 1 0 0

 

人選は各部門に委ねられています。なるべく多くの情報を持ち帰り展開してくれる人を選ぶ部署もありますし、トレンド技術を消化してもらう為に、専門的な知識を持った人を選ぶ部署もあります。また、刺激を受けてきてもらう為に若手を選ぶ部署もあるようです。参加経験の浅い人が不安を解消してモチベーションが高い状態で参加できるように、当部の粉川が相談用チャットや勉強会を開催して、事前準備するべきことや、心構え、開催されるセミナー情報などのフォローもしています。

 

 GDC社内報告会

GDC参加者から有志によりレポートとは別に報告会を開催して情報を共有をしています。それが今回開催したGDC2019社内報告会です。普段の勉強会は社内事例を取り扱う事が多いので11階にあるLIGTH HOUSEというセミナールームを利用する事が多いのですが、今回は外部のセミナー報告会ということで9階のTunnel Tokyoのオープンラウンジで開催しました。9階には総合受付や多くの会議室があり、大型LEDサイネージにプレゼン資料を表示するのでミーティングで近くを通る方や来訪者の方もこちらを興味深くみていました。 

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Tunnel Tokyoのオープンラウンジ

報告会は以下の内容で行われました。

・せっかく海外行けるのに英語?新人?そんなの気にしない!!
・AAAタイトルのデータとツール(主にスパイダーマン事例紹介
・自動テスト関連
・サウンドの実装事例とミドルウェアの紹介
・Deep Learning 活用事例にみるゲーム開発・運用への活用のありかた
・ツール関連、テクニカルアーティスト関連、プロシージャル関連
・God Of Warとスパイダーマンのアニメーションセッション話題。 

 

今回の報告会では新人から、参加16回目の常連まで幅位広いキャリアの人が登壇しました。異なるキャリア、異なる職種の人が、会社の実情を踏まえた上で情報共有してくれる会は、社外で行われている報告会とはまた別の意義があると感じています。

 

ある若手に着目して

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リハーサルと本番の様子

写真は「ツール関連、テクニカルアーティスト関連、プロシージャル関連」で登壇した4年目のTA・清水です。GDCへの参加は今回初めてだったそうです。彼は若手ですが、社内の勉強会やCEDECなどで積極的に発表活動を行なっていて、その成果が認められてGDCへ参加する機会を得ました。清水曰く、GDCでは、発表の内容はもちろんのこと、発表の仕方にも感銘を受けたそうです。聴いて欲しい内容を浸透させるために如何に聴衆の心を掴むかという方法を生で体感できたのは、GDCに行って最も価値がある体験の一つだったと語ってくれました。また、上司がセミナー受講や登壇することに対する理解があることも自分が積極的に活動できる理由であるとも語ってくれました。

 

良いゲームをつくるために

ゲーム開発を行っている以上、最も重要なアウトプットはゲームそのものです。より良いゲームを作るためには思考を繰り返す必要があり、その思考を回す為には情報のインプットが必要です。一度自分がゲームというアウトプットを行なった後は更なる情報のインプットはもちろんの事、自分が行った事をまとめてアウトプットする事も重要だと考えています。それは周りに情報をインプットする機会を与えているだけにとどまらず、伝えた人々からフィードバックを受けることが、自身の新たなインプットにつながるからです。グループ全体を見回すと面白い知見を持っている者がたくさんおります。こうした情報を知る機会、また、広める機会をこれからもお手伝いできればと思っています。

 

最後に

弊社では多くのインプット、アウトプットの機会と設備を備えています。また、海外カンファレンスに参加するチャンスもある弊社に興味を持った方は是非下のリンクをクリックしてください。ゲームを世に出す事はもちろん、自分の学んだ事をみんなに伝えて自他共栄を行える人を求めています。

www.sega.co.jp


 

弊社の開発関連人員の知見を広げる勉強会を開催してくださる方や講師を引き受けてくださる方もあわせて募集しています。

 

©SEGA

 

*1:先月の記事のGCC2019と似てますね

*2:オフィシャルページに記載されているTopicsは以下。Advocacy、Audio、Business & Marketing、Career Development、Design、Game Career Seminar、Production & Team Management、Programming、Special Event、Vision、Visual Arts、AI Summit、Community Management Summit、Educators Summit、Entertainment VR/AR、Mobile Summit、Game Narrative Summit、Game VR/AR、Independent Games Summit、UX Summit

*3:数年前はVRのセッションが爆発的に増加し、VRDCという単独のイベントも行われました

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